
私は小さい頃から、甘いものを受け付けない体質でした。
お誕生日のショートケーキも嬉しくないし。
付き合いで仕方なく行くスイーツ食べ放題も地獄だし。
お土産のチョコレートも素直に喜べないし。
甘いものに良い思い出も、良い感情も、ありませんでした。
大人になってからおっとと出会って、一緒にお出かけをする仲になりました。
そして、根っからのスイーツ男子であるということが判明しました。
私は少しだけ、ネガティブな気持ちになりました。
彼が甘いもの好きな手前、私は苦手なんて言いづらいな。
カフェに入ったら私もスイーツを注文しないといけないかな。
でも全部食べ切るのはしんどいな。
しかもおいしそうな演技までしないといけないしな。
なんて、あれこれと考えてしまったのです。
でも、そんな心配はご無用でした。
私が甘いものを苦手だなんて関係なく、一人で幸せそうにスイーツ頬張っているし。
なんなら、残しても食べるから大丈夫だよとか言って、私が残すありきで注文するように勧めてくるし。
おっとと一緒にいると、無理しなくていいんだって思える場面にたくさん遭遇します。
甘いものの好き嫌いなんて、ほんの小さなことかもしれません。
けれど、そんな瞬間がたくさん積み重なって、そうやって今の私たちが作られているような気がしています。